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2010/07/25 

お守りの鈴と紐の結び

 

音色と結び方で霊的な力を込められたお守り

お守りに付いている鈴と紐の結びには日本人の伝統的な考え方があります。
今回はその由来について解説します。

 



鈴の音色で心を清め邪気を祓う
 
お守りについている鈴はどのような意味があるでしょうか。
日本人は音に対して信仰心が強く、神事で鈴が用いられてきました。呪術的な目的で使い、その音色は邪気を祓う霊力があるとされてきました。
 
 
鎌倉時代に書かれた随筆「徒然草」に『内侍所(ないしどころ)の御鈴(みすず)の音は、めでたく優なるものなり』と藤原公孝(ふじわら きんたか)が鈴の音の素晴らしさを伝えていました。古来より鈴は人の心を澄ませる音色なのでしょう。
 
鈴は神社でお参りすると装身具や神殿の一部としてみるとができます。



巫女が神楽で舞うときに手に持っているのが神楽鈴(かぐらすず)です。もともとこの鈴は神の注意を引いて呼ぶときに振って鳴らす楽器でした。



神楽鈴は招霊(おがたま)の木(別名:小賀玉の木)の赤い実の形に似ていることから、神楽鈴が考え出されたと伝えられています。

お参りしたときに社殿に大きな鈴が太い紐を垂らしてあります。



私たちが紐を揺らして鈴を鳴らすのも、神様を招き、邪気を祓って心を清らかにするためにあります。




結びに込められた願いと霊力
 
神社にお参りすると普段見かけない飾り紐の結び方をみかけませんか。

 
「結び」は古来より「産霊(むすび)」であり、天地万物を産み出すことを「むすび」といわれています。
 
生命の根源を意味する「むすび」は、紐で結ぶことによって霊力を込められました。



お守りで用いられている紐の結び方は「叶結び(かのうむすび)」と言われています。正確には「二重叶結び」といいます。
叶結びは信仰的な目的だけでなく、日常でも祝儀袋の水引に使われ、お祝い事には欠かさない結び方です。



古来から伝えられてきた日本独特の結び方で結び目の裏表が『口』の字と『十』の字になるところから叶結びと呼ばれています。
 
紐を結ぶ習わしは万葉集の歌でも多く使われています。
 
『白たへのわが紐の緒の絶えぬ間に 恋結びせん逢わん日までに』(巻十二)という歌では「恋結び」とありますが、これは叶結びかもしれません。はるか1300年前の平安時代から紐の結び方で男女の想いが詠われいます。
 
古来より日本人は音色や結び方に実用性や機能性だけでなく、霊性を感じていました。
 
あなたが授かったお守りに鈴や叶結びがありましたら、このようなルーツがあることを感じてお持ちになるとよいと思います。